+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
   






遺言って

遺言とは、遺言者(被相続人)の最終の意思表示です。
自分の死後に相続をめぐるトラブルが起きないようにしたい場合は、遺言書の作成が有効です。

下記のような場合、遺言書を作成しておく必要があります。

  • 相続人以外の特定の人(内縁の妻や配偶者の連れ子など)に
    財産を与えたい場合
  • ある相続人に法定相続分を超える特定の財産を与えたい場合
    (事業承継)
  • 子どもがいなくて、配偶者に全財産を相続させたい場合
  • 認知したい子どもがいる場合

遺言ができる条件は

遺言は、15歳以上で、意思能力があれば誰でも作成可能。遺言は最終の意思表示のため、作成能力の範囲を拡大しています。

未成年は法定代理人の同意なく
被保佐人は保佐人の同意なく

成年後見人は、事理を弁識する能力を一時回復したときに医師2名以上の立会いのもと

それぞれ作成可能です。

遺言の種類は
遺言には下記のような種類があります。
この中でも自筆証書遺言と公正証書遺言がよく使われます。
特別方式遺言は、通常使われることはありません。

自筆証書遺言とは

いつでもどこでも作成が可能で他人に知られたくない場合に有効。

遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を自書し、これに押印します。

普通方式の3種類のうち最も簡単で、費用もかからず、遺言の存在・内容を秘密にしておくことができます。

ただし、法定の様式を欠いて、遺言書が無効になる場合もあります。

また、遺言書の紛失・偽造・変造・隠匿などの危険がある、家庭裁判所の検認手続が必要であるといった短所があります。

公正証書遺言とは

遺言書の内容を明確にし、紛失や変造などを防ぎたい場合に有効。

公正証書遺言は、

証人2人以上の立会いのもとに、
遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授し、
公証人がこれを筆記して、遺言者および証人に読み聞かせ、
遺言者および証人が署名押印し、

公証人が方式に従って作成された旨を付記して署名押印

という手続で作成されます。

公正証書遺言は、遺言書原本が公証人によって筆記・保管されます。
紛失・偽造・変造・隠匿などの危険がなく、安全確実な遺言です。

また、家庭裁判所の検認手続も不要です。

ただし、費用がかかる、手続が煩雑、証人を必要とするため遺言の存在や内容を秘密にできないという短所があります。

秘密証書遺言とは

遺言したという事実は明確にしたいが、内容は生前に知られたくないという場合に有効。

具体的手続は、

遺言者が遺言書を作成して署名押印、
遺言書を封じ、同じ印章で封印し、
証人2人以上の立会いのもとで公証人に提出、
公証人が遺言書であることおよび日付を封書に記載し、
遺言者、証人、公証人がそれぞれ署名押印

という手続で作成されます。

秘密証書遺言は、遺言の存在を明確にしながら内容を秘密にでき、偽造の恐れが少ないという長所があります。

短所として手続が煩雑、遺言の存在自体を秘密にできない、家庭裁判所の検認手続が必要という点が挙げられます。

遺言でなにができるの

遺言書について、法的意味を有するものは限定的に定められています。
したがって、下記以外の事項について記載をしても、法律上は無効になります。

身分に関する事項
  • 認知
  • 後見人・後見監督人の指定
相続に関する事項
  • 相続人の廃除とその取り消し
  • 相続分の指定・指定の委託
  • 遺産分割方法の指定・指定の委託
  • 遺産分割の禁止
  • 相続人担保責任の指定
  • 遺言執行者の指定・指定の委託
  • 遺留分減殺方法の指定
財産の処分に関する事項
  • 遺贈・寄付行為
  • 信託の設定

遺言執行者って

遺言執行者とは、遺言のとおりに 相続財産を処理する人 をいいます。

遺言執行者は、遺言などで決まるほか、利害関係人の請求で家庭裁判所が選任する場合もあります。遺言執行者が指定されていれば、相続人は相続に関する手続の負担を免れることができます。通常、弁護士が遺言執行者に就任します。

遺言執行者の具体的な業務は、下記のとおりです。

相続財産の財産目録の作成
相続財産の管理
その他遺言の執行に必要な一切の行為
(たとえば所有権移転登記など)

遺言は取り消せるの

遺言者がいったん遺言書を作成しても、いつでも自由にその一部また全てを撤回することができます。
なぜなら遺言は、遺言者の 最終意思 を尊重する制度だからです。

遺言の撤回は自由にできますが、
原則として前述の遺言の方式によらなければなりません。 

また、先に作成した遺言と同じ方式である必要もありません。

公正証書による遺言を自筆証書の遺言で撤回しても構いません。

撤回とみなされる行為
遺言者が遺言の趣旨に抵触する行為をした場合、抵触した部分は撤回したものとみなされます。
前の遺言と後の遺言が抵触するとき
遺言者が、遺言をした後にその内容と抵触する法律行為などをしたとき
 
遺言者が故意に遺言所を破棄したとき
   
遺言者が遺贈の目的物を故意に破棄したとき
撤回の撤回
遺言を撤回する第2の遺言や行為がさらに撤回されたときでも、第1の遺言は復活しません。
撤回の撤回があったとしても、遺言者が先の遺言を復活させる意思があるかどうかが不明だからです。
もし遺言者が第1の遺言を復活させるためには、その旨を表示した新たな遺言をしなければなりません。
撤回の取り消し
遺言の撤回とみなされる処分行為が無能力を理由として取り消しや、第1の遺言と抵触する第2の遺言の受遺者が遺言者よりも先に死亡して第2の遺言が効力を生じなかった場合なども、第1の遺言は復活しません。

ただし、遺言の撤回が詐欺・強迫によってなされたためにそれが取り消された時は、先の遺言が復活します。
この場合、先の遺言に戻る意思が明白だからです。

遺言書の検認手続はどうやるの
遺言書の保管

公正証書遺言以外の遺言書は、本人や配偶者などが保管しています。

自筆証書遺言は、銀行の貸金庫など火災や盗難の恐れがない場所に保管の上、遺言書の保管場所を明示しておくことが必要です。

遺言書の開封
封印のない遺言所は相続人が自由に開封できますが、封印のある遺言書は勝手に開封は認められません。
相続人立会いのもと家庭裁判所で開封しなければなりません。
遺言書の検認

相続発生後、遺言書の保管者または発見した相続人は、これを家庭裁判所に提出して検認をうけなければなりまぜん。
家庭裁判所に検認の申し立てをし、申立人と相続人を期日に呼び出して、検認手続を受けます。

検認手続は、遺言書が法定の要件を満たしているかどうかのみを確認する形式的な手続です。
このとき、遺言として有効か無効かの判断は行ないません。

検認がすむと、遺言書の内容を実行に移すことができます。

なお、公正証書遺言は公証人役場に保管され、偽造・変造の恐れもありませんから、開封・検認の手続は不要です。

遺言書作成で留意することは
相続ではまとまった金銭が入ってくるため、相続税の有無に関わらず遺産分割で揉める可能性があります。
揉めない遺産分割には、遺族の良識だけに頼ってはいけません。バランスを取りながら、合理的な配分を行うことが大切です。
分割割合の決定は、遺留分に配慮します。
生前に財産の組み替えを行ない、分割可能な財産にしておくことが理想的です。
相続人の話し合いで生前に分割を決定する場合でも、決定事項を遺言書に明記しておきましょう。
財産の価値や相続人の状況は年々変化します。一度作成した遺言書であっても定期的な見直しをお薦めします。

遺留分って何

遺留分とは、一定の相続人が必ず取得できる財産の取り分のこと。

遺留分で確保される相続財産の割合は、遺産全体の2分の1です。
(直系尊属だけが相続人となる場合は3分の1)

遺言者は、遺言によって相続人の相続分を指定したり、遺贈によって相続財産を特定の人に与えることができます。
(遺言自由の原則)

しかし、遺言で財産の処分を無制限に認めると、遺族の生活が保障されなくなる可能性があります。

そこで民法は、一定の相続人(配偶者、直系卑属、直系尊属)のために残しておくべき最小限度の財産の割合を定めています。

これを遺留分といい、遺留分を主張できる権利を遺留分減殺請求権といいます。

遺留分は配偶者、直系卑属、直系尊属(以上を遺留分権利者といいます)に認められ、兄弟姉妹には認められません。

遺留分権利者は、被相続人の生前に、遺留分を主張しないという意思表示を行なうことができます。
(遺留分の放棄)

遺留分の放棄をするためには、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

しかも、生前の遺留分放棄者は、相続財産のうち、遺留分に関する権利を放棄するだけであってその他の権利は失いません。

したがって、遺留分を放棄した遺留分権利者に一切の財産を渡したくない場合には、その遺留分権利者の持分をゼロにする旨の遺言を作成する必要があります。

遺留分減殺請求権とは

遺言による相続分の指定や、遺贈または生前贈与によって遺留分が侵害された場合でも、それが当然に無効になるわけではありません。

被相続人の意思を尊重したいと思う場合、遺留分を主張する必要はありません。

不満がある場合、遺留分の割合に達するまで、贈与や遺贈などを減殺して取り戻すことができます。

これを遺留分減殺請求権といいます。

遺留分減殺請求権は、家庭裁判所に申し立てる必要はなく、遺留分を侵害した人に対して、意思表示をすればよいことになっています。
(通常は内容証明郵便にて郵送)

なお、この権利は、相続開始および減殺すべき贈与や遺贈があったことを知ったときから1年(知らなかった場合は相続開始から10年)が経過すると時効消滅となりますので、注意が必要です。