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+ なぜそんな制度があるの ?
+ いつ相続がはじまるの ?
+ 相続のスケジュールは?
+ だれが財産を相続できるの?
+ 相続人になれない人は?
+ 胎児は相続できる?
+ 養子・養父母は相続できる?
+ 認知された子は相続できる?
+ 連れ子は相続できる?
+ 相続人がいない場合は?
+ 相続できない財産ってあるの?
+ 借金も相続するの?
+ 法定相続分って?
+ 相続放棄って?
   




なぜそんな制度があるの
いつ相続がはじまるの
相続のスケジュールは
だれが財産を相続できるの
相続人になれない人は
胎児は相続できる
養子・養父母は相続できる
認知された子は相続できる
連れ子は相続できる
相続人がいない場合は
相続できない財産ってあるの
借金も相続するの
法定相続分って
相続放棄って

相続って何?

相続とは、無くなった方の財産上の地位を、法律上の規定または遺言によって、
特定の人に受け継がせることをいいます。

戦前には、家督相続という嫡出長男優先の
単独包括相続が定められていました。

戦後になって、家督相続の廃止、均分相続制、寄与分制度など
さまざまな改正を経て、今日に至っています。

なぜそんな制度があるの

相続制度の存在理由には、次の3つが挙げられます。

相続人の生活保障
 

今の日本社会では、自分の生活保障は自分で行なわなければなりません。
家族(配偶者、子、親)など、無くなった方が生前に扶養していた人たちの
生活を成り立たせていくためには、財産の承継を認めなければなりません。

   
被相続人の取引の安全
 
人の死亡という偶然の事件によって、その人が当事者であった売買や
賃貸借などの契約が消滅してしまうと、社会経済は円滑に機能しなくなります。
そのため、相続人がその契約上の地位をそのまま継承する必要があります。
   
相続人の潜在的持分の実現
 
家庭では、配偶者や子らが
お互いに支えあって財産を築き上げます。
したがって、家族構成員は、
被相続人名義の資産に対して、
一定の持分を有すると考えられます。

いつ相続がはじまるの

相続は、被相続人が死亡した瞬間に開始します。

ただ、行方不明者でその生死が判明しない時は、
失踪宣告によって、法律上死亡したものとみなされます。

自然死亡

 

死亡診断書や死体検案書を添付した死亡届により、
戸籍簿に死亡の日が記載されます。
死体が発見されない場合などは、官公署の死亡報告に基づいて
戸籍への記載がなされます。(認定死亡 )

 
   

失踪宣告

 

失踪宣告には、普通失踪と特別失踪の2種類があります。

(1)普通失踪
不在者の生死が7年以上不明であるとき、家庭裁判所が
利害関係人のせいきゅうにより宣告し、失踪期間の満了時である
7年経過時に死亡したものとみなされます。
(2)特別失踪
戦地、沈没した船舶、墜落した飛行機にいた者であって、
戦争が止んだなどの後1年以上の間その生死が不明の場合に、
家庭裁判所が利害関係人の請求により宣告し、
この危機が終わった時点で死亡したものとみなされます。

相続のスケジュールは

相続開始後は、民法、相続税法のほか、さまざまな手続が必要になります。
その概略を下に示します。

(相続開始)
  関係者への連絡、葬儀の準備
   
  死亡届の提出
7日以内に市区町村役場へ、死亡診断書添付
   
  葬式費用の領収書等の整理・保管
形見分けなど
  遺言書の有無の確認
遺言書があれば、家庭裁判所で検認
三十五日忌法要のころ
   

このころまでに納骨

 

遺産と債務の把握
相続を放棄するかどうか決定
相続人の確認
被相続人と相続人の戸籍謄本を取り寄せる

家庭裁判所に申述
   
被相続人の所得を税務署に申告
 

遺産や債務の調査
遺産の評価(相続税評価額、時価)
専門家にご相談ください

相続人全員の実印と印鑑証明書が必要
  遺産の名義変更の手続
不動産の相続登記、預貯金の名義変更
相続税の申告書の作成
納税資金の準備、物納などの検討
被相続人の死亡時の住所地の税務署に申告、納税
   
   

 

だれが財産を相続できるの

相続人となるのは、配偶者、子、父母、兄弟姉妹などで、
相続開始時に生存している人です。

ただし、これらの人々には優先順位が決められており、
全員が財産を相続できるわけではありません。

配偶者は必ず相続人になります。
ただし、婚姻届を提出していない人(内縁関係)は相続人になりません。

第1順位・・・直系卑属(子・孫・ひ孫・・・)

 

子は第1順位で相続人になります。
相続発生時に子が死亡していた場合、孫が相続人になります。
(代襲相続)
孫も死亡して、ひ孫がいる場合には、ひ孫が相続人になります。
(再代襲相続)

   
第2順位・・・直系尊属(父母・祖父母・・・)
 

被相続人に子や孫がいなければ、父母が相続人になります。
父母がいない場合、祖父母が相続人になります。

   
第3順位
 

第1順位、第2順位の相続人がいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹が死亡している場合、その子に代襲相続が認められます。
ただし、兄弟姉妹に限っては、再代襲が認められません。

相続人になれない人は

相続人であっても、相続権を失うことがあります。

欠格
 
相続人になる人が故意に被相続人を殺したり、詐欺や脅迫によって
遺言書を書かせたりした場合などは、相続人としての資格を失います。
 
排除
 

被相続人が、相続人から虐待されたり、重大な侮辱を加えられたりした
場合には、家庭裁判所に申し立てることによって、その相続権を
失わせることができます。

 

なお、欠格の場合も排除の場合も、代襲相続は認められます。
欠格者や排除者の子らは、非行とは関係がないからです。

胎児は相続できる

相続開始時に胎児であっても、生まれたとみなして相続権が認められます。

配偶者が妊娠中である場合、第1順位の子がいることになり、
第2順位の父母に相続権はありません。

なお、胎児の相続権は生まれてきた時に限られ、
流産や死産の時はその権利がなかったものとされます。

養子・養父母は相続できる

養子制度には、特別養子縁組と普通養子縁組があります。

特別養子縁組
 

特別養子縁組が成立すると同時に、実父母や血族との親族関係は終了し、
養子は養親の実子と同じ扱いになります。

したがって、養父母とその血族についての相続権は認められますが、
実父母や実の兄弟についての相続権はなくなります。

また、特別養子が死亡した場合は、養父母が第2順位となり、
実父母は相続人になりません。

   
普通養子縁組
 

普通養子は、実父母についての相続権も、
養父母についての相続権も認められます。

また、普通養子が死亡した場合は、
養父母と実父母の両方が第2順位になります。

認知された子は相続できる

婚姻関係にない男女間に生まれた子を非嫡出子といいます。

非嫡出子は、父または裁判所が認知すれば、相続権を認められます。

ただし、相続分は嫡出子の2分の1になります。


連れ子は相続できる

被相続人との間に血縁関係がない連れ子も、相続人になりません。

連れ子を相続人にするためには、養子縁組が必要です。

相続人がいない場合は

相続人が全員死亡していたり、血縁者がいても法定相続人として
認められない場合は、次の手順で財産分与が行なわれます。

相続財産は相続財産法人となり、利害関係者(受遺者や債権者など)
または検察官が家庭裁判所に相続財産管理人の選任を請求します。
   
選任された相続財産管理人は、相続財産から債権者に対する弁済などの
清算手続きを行ないます。
 
残余財産があれば、その全部または一部が特別縁故者
(被相続人と生計を共にしていた人、被相続人の療養看護に努めた人など)
に分与されます。
 
特別縁故者がいない場合、または特別縁故者への財産分与が
認められない場合は、残余財産は国庫に帰属します。

相続できない財産ってあるの

相続が開始すると、被相続人の財産に属した一切の権利義務が
相続人に承継されます。

ただし、被相続人の一身に専属したものは除かれます。

相続できる財産
 

被相続人の財産に属した一切の権利義務。
つまり、被相続人が有していた全財産のほか、まだ発生していない
財産上の法律関係(たとえば土地を売る契約など)も継承します。

   
相続できない財産
 

被相続人その人にだけ帰属するもの。(一身専属権)
たとえば、年金受給権や土地家屋調査士資格などです。

借金も相続するの

相続する「全財産」には、積極財産(プラス財産)のほか、
消極財産(マイナス財産)があります。

積極財産(プラス財産)
  土地建物、現預金、有価証券、動産といった有形の財産のほか、
借地権、占有権などの権利も含まれます。
   
消極財産(マイナス財産)
 

借金や住宅ローンなどの債務が典型例です。
なお、(連帯 ) 保証債務も相続します。
ただし、身元保証債務のように、あらかじめその保証額を知ることが
できない債務は、特別の事情がない限り相続しません。

法定相続分って

相続人が数人いる場合、これらの相続人がそれぞれ相続財産を
相続する割合のことを相続分といいます。

相続分には、指定相続分と法定相続分とがあります。

指定相続分
 

被相続人は、遺言によって相続分を指定できます。これを指定相続分といいます。

 指定相続分は法定相続分に優先して適用されますが、法定相続人から遺留分の主張をすることが認められています。

   
法定相続分
  遺言による相続分の指定がなければ、民法で定める相続分によります。
これを法定相続分といいます。
   
 
配偶者のみが相続人の場合
  配偶者が全てを相続します。
  配偶者:全部
   
配偶者と第1順位 ( 子 ) が相続する場合
  配偶者が2分の1、第1順位が2分の1を均等分割します。
 

配偶者:1/2
長男:1/4 (1/2 を2等分)
次男:1/4( 1/2を2等分)

   
配偶者と第2順位(直系尊属)が相続する場合
  配偶者が3分の2、第2順位が3分の1を均等分割します。
 

配偶者:2/3
父:1/6(1/3を2等分) 
母:1/6( 1/3を2等分)

   
配偶者と第3順位(兄弟姉妹)が相続する場合
  配偶者が4分の3、第3順位が4分の1を均等分割します。
 

配偶者:3/4
兄 :1/8( 1/4を2等分)
姉 :1/8( 1/4を2等分)


相続放棄って

相続人は、原則として被相続人の財産を受け継ぎますが、
多額の債務があるような場合には、相続をしたくないということがあります。

そこで相続人は、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に、
単純承認、限定承認、相続放棄のいずれかを選択することができます。

単純承認
 

被相続人の財産(積極財産・消極財産)の全てを無条件で相続することです。

債権は相続するが債務は相続しないとか、現金は相続するが不動産は
相続しないというようなことはできません。

また、下記のような場合には、単純承認したものとみなされます。

  • 相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき
  • 相続開始を知った日から3ヶ月以内に限定承認または
    放棄をしなかったとき
  • 相続人が限定承認または放棄した後でも、相続財産の全部
    または一部を隠匿し、費消し、悪意で財産目録に記載しなかったとき
限定承認
 

受け継いだ資産(積極財産)の範囲内で負債(消極財産 ) を支払い、
積極財産を超える消極財産については責任を負わないという
相続の方法です。

相続財産の中の消極財産が積極財産より多いと思われる場合に有効です。

限定承認の要件は下記のとおりです。

  • 相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する
  • 相続人全員で申述

            など

相続放棄
 

相続人は、相続を拒否することもできます。

相続財産のうち消極財産が多い場合や積極財産の承継をしたくない
相続人がいる場合に利用されます。

相続放棄の方式は下記のとおりです。

  • 相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する
  • 各相続人が単独で放棄できる(限定承認とは異なります)

 

相続放棄をすると、民法上、放棄した人は
初めから相続人でなかったものとみなされるため、
その子に代襲相続は認められません。
(欠格・排除の場合と異なります)